勉強お悩み相談20

偏差値の高い学校で下位でいることと、ちょうどいい偏差値の学校で中間にいることと

偏差値の低い学校で上位にいること、あなただったらどれを選びますか?

他人にはどれを薦めますか?

図44

  • 私はひとり親家庭のお子さんを対象とした学習支援ボランティア事業に携わっていますが、現在高校生となった元・教え子たちのパターンと全く同じケースなので、コメントいたします。
  • 私の教え子に、中学時代の平均点が常に90点以上の子と、平均点が90点近く取る子がいました。4月より彼女らは高校2年生になりますが、前者は「卓球を極めたい」という理由で、「御三家」と呼ばれる進学校に進むのを断り偏差値50前後の高校に進み、後者は富山県随一の進学校に進みました。
  • その結果…前者は厳しい部活に所属しているためいつも帰りは遅いですが、よい人間関係に恵まれ毎日楽しく学校生活を過ごしており、休日は家の中で過ごすことより友達と外であちこち散策する…というアウトドア派に変わりました。後者は学校の授業に追い付くのが精いっぱいで、家庭教師をつけて勉強漬けの生活を送っており、そのストレスからくる胃炎のため、胃腸薬が手放せないそうです。
  • これを聞く限り、無理して偏差値の高い学校に通っても、自分の力以上の場所だとかえってストレスフルな生活になり、貴重な青春を謳歌することが困難になるな…と思いました。

◇◇◇

  • …で、私自身はどうだったかというと…「ちょうどいい偏差値の学校で上位に食い込む」というものでした。
  • 私が富山商船高等専門学校に在籍していた時、担任の教官から「東大受けないか」といわれたことがあります。しかし高専から東大に編入すると1年留年せざるを得なくなるうえ、さらに東大の勉強に追い付けず留年して親に負担をかけること、東京での生活費が親にとんでもない負担を強いる…ことから東大を受験せず、口の悪い連中に言わせると「高専の上位互換」といわれる、技術科学大学の1つ、長岡技術科学大学に編入しました。
  • 講義のレベルは高専の内容の復習に近いものであったため、高専で5年間勉強した下地がフル活用できました。その結果…先ほど出てきた私の教え子(後者)のように、長時間ストレスフルな勉強をすることなく、マイペースで快適に進めることができました。そして、学部を5番で卒業することができました。
  • このように、無理して偏差値の高い高校や大学に進学しても、追い付くので精一杯ならば、学習に楽しさを見出すことができないため、だんだん勉強が嫌いになってゆき、成績は下位に低迷するでしょう。しかし、学校名のブランドが弱くても、身の丈に合った学校であれば、のびのびと勉強することができるうえ、その積み重ねが思いもよらない結果を出すこともあります。
  • 「よく身の程を知れ」という先人の言葉をかみしめて、進学する学校を選ぶべきですね。