勉強お悩み相談20

志望校に不合格になったお子さんを励まし、新たな目標に向かって進ませるには

どうすればよいですか?

図45

  • まず、入学試験などというものは、極めて粗いザルのようなもので、人間の能力を正確に測れないものだということです。入学試験の結果は、せいぜい学力と運が半々だと思ってください。
  • 実際、入試をやっている側からすると、トップの1–2割以外は、誰が合格しても、誰が不合格でも不思議ではないのが実情です。努力は必ず報われると教えられ、努力してきたあなたには辛いかもしれませんが、それが入学試験の「不都合な真実」なのです。だから、間違っても、不合格という結果が、あなたの能力やこれまでの努力を全否定するものだどと考えないことです。
  • そして、志望校に合格できずに、不本意進学する場合なら、どんな学校でも、進学しないのとは大違いだということです。だいたい、偏差値が違っても、学校の雰囲気や施設設備が違っても、部活動のレベルが違っても、学校と学校の違いは、思っているほど大きくありません。高校までなら、同じ学習指導要領に縛られています。教師の能力や資質も、偏差値が高い学校には、いい先生ばかりが揃っていて、低い学校の先生はみんなダメなどということもありません。
  • たしかに、入学者の成績の平均は違うでしょう。しかし、上位校の最低成績と、下位校の上位の成績の差は、思ったほど無いものです。大学なら、さらにそうです。大学の教員のほとんどは、大学院があるようなレベルの高い大学で学位を取っています。東大の教員と、小さな地方国立大や私大の教員は、たしかに研究業績では大きな違いがあるかもしれませんが、教育能力では大した差がないことも珍しくありません。そして、大学卒業時の能力は、入学時の能力にほとんど比例しません。個人でどれだけ努力できるかで決まります。
  • また、どこに進学するとしても、あるいは進学を諦めざるを得ないとしても、あなたがこれまで時間と労力と精神力を費やして身につけた知識や能力は、あなた自身のものであり、不合格だったからといって無駄になるわけではないのです。それは、将来のあなたの生活の中で、あなた自身や周囲の人間を支えるでしょう。
  • 有名大学を出た人間と、そうでない人間で「平均年収」が違うなどという言葉に惑わされてはいけません。平均は平均です。個人差の方がずっと大きいのです。むしろ、結果として与えられた状況を早く受け入れ、そこから最大限を引き出すようにすれば、恵まれた環境に安住して努力を怠る人間などすぐに追い越せますから。