教育問題13

なぜ日本の義務教育課程は先生に媚を売らないと内申が上がらないのでしょう?

また、海外の学校でも媚を売っている方が有利なのでしょうか?

図44

  • 現在、日本の義務教育は「絶対評価」というものを取り入れております。この絶対評価というのは、個人の能力を、その個人が属する集団内の他者の能力に関わらず、あらかじめ決めておいた評価基準に則って評価する方法と定義されております。
  • この中にある「あらかじめ決めておいた評価基準」というのが曲者でして…数値化が容易な場合(各学期の定期テストの平均点が90点以上で5、80点以上89点未満で4…という具合)は良いですが、美術や音楽、技術家庭科というような数値では評価できない(作品の良しあしは数値で表すのが極めて困難)教科では、評価者が持つ基準によって成果を評価する認定評価を使います。
  • この「評価者が持つ基準」というのが、先生によって大きく異なり、美術においてA先生は「よくできた作品」と評価して学生君の成績を5と評価したが、B先生は「まだまだ努力が必要」と評価して、3と評価したり…という風に先生によって評価が変わってしまいます。

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  • これは私が実際に指導していた生徒の事例ですが、実力テストや定期テストで常に9割近く取り、順位も全体の上位20%~10%に入ってくる学生がおりました。しかし、彼は勉強がよくできたため、学校の先生の授業に「物足りなさ」を感じ、それゆえに授業をまじめに聞いていませんでした。一方、実力テストや定期テストはそれほど高くない(実際にこちらで試験すると、よくて最高80点という具合)のですが、学校の先生の「受け」がよかったために上位に食い込んでいる生徒がおりました。
  • さらに一番最初に述べた生徒は、私立の高校入試で優秀な成績をとりましたが、「内申が悪い」という理由で特進Bクラスに配属されました。一方、次の生徒は私立の高校入試ではそれほど高い点ではなかったにも拘わらず、特進Aクラスに配属されました。
    これを聞いた時、成績より先生受けの良いほうが上に行きやすいのか…と思いました。
  • 私が教えていた生徒より、彼(教え子は男子でした)の担任の先生が「内申書に一筆(よくない点を)書こうか?」と生徒にいったり、「君は内申が悪いからここしか行けない」といって進路を一方的に決めたり…ということを聞きました。それを聞いた生徒の一人は、自ら命を絶ちました…(実際にニュースになりました)
  • 海外で義務教育を受けてこられたShun Omagari氏の回答を読むまで、海外のほうが日本より露骨なひいきを行うことを知りませんでした。しかし、日本にも海外ほどではありませんが、こういう部分があります。
  • 「教師」という「人生を左右する決定」を下す立場の人間が、それを振りかざして自分の言うことを聞かせようとするため、生徒はそれに怯え、先生に従わざるを得なくなるのでしょう。それが「先生に媚びる」という姿に見えるのではないでしょうか。

海外の事例について

  • 義務教育を海外で経験した方によると、アメリカの先生は媚びを売って気に入られれば成績が上がり、先生に嫌われれば成績が下がる…という露骨なものだそうです。
  • 実際に課題をしっかりこなして、テストの成績も優秀である学生が、授業中に「先生の質問に答えられなかった」というだけで、先生に「授業中の態度が悪い」と判定されて本来A+(日本でいうところの五段階評定の「5」に当たる成績)であるにも拘わらず、B+(日本でいうところの五段階評定の「4」に当たる成績)にされたり、課題は一生懸命こなすけどテストの成績が芳しくない学生が、先生に媚びを売りまくった結果、本来とれるはずのないA+をとった…ということがよくあるのだとか。
  • 筆者が大学院生だった時に出席していた経営関係の講義にて、教官が「アメリカの大学では成績を上げてもらうために、トイレまで行って「教授、今日の授業は非常によくわかり勉強になりました」といい、教授をヨイショする」といっていたことを思い出しました。

参考文献および引用元
なぜ日本の義務教育課程は先生に媚を売らないと内申が上がらないのでしょう?また、海外の学校でも媚を売っている方が有利なのでしょうか?@Shun Omagari氏の回答