教育問題9

反転授業の長所と短所は何ですか?

図45

  • 反転授業は今まで広く行われて来た教授型の授業を、家や好きな場所で好きな時に映像授業を受講することで事前に知識を持った上で、学校での学習活動に参加していくというのが多い方式です。
  • 今まで受けて来たものを学校ではなく家庭等で学ぶのでそこが「反転」と言われる所以です。
  • 学校で行われる学習活動には、集団でしか行えないディスカッションやディベートなど議論などが行われることが多いでしょう。
  • 長所としては、単純な知識を学ぶことは家庭でできるため学校での学習活動には幅が広がり様々な学習が展開できるという点です。
  • 例えば、社会科で言えば、年号や事件、法令などの名称や中身などは家で学習して、学校ではなぜそれらの歴史的事実が起こったのかを議論することができます。
  • このようにすることで、知識がただの点ではなく線に繋がっていくために学習者の知識として残りやすいことや多様な視点からの考察ができます。事柄を抽象化して捉えることで事象と事象を関連づけられるような力も期待されます。
  • 一方で短所は学習者に宿題という負担を強いることと、知識が均一に得られていると仮定した上でないと学習計画立てられないという点です。
  • 例えば今まで通りの教授型・講義型の授業が50分間分映像になったと仮定すると1日に6コマあったら家庭学習は映像見るだけで約6時間かかってしまいます。(ここは映像をどれくらいの長さのものにするのかによって変わるので一概には言えません)
  • これは現在の日本では中学校・高校では部活動後に受けることが前提になるため難しいと言わざるを得ません。
  • 後者に関しては、実際に授業を行われた経験のある方ならわかるかと思いますが、学習者はバックグラウンドや学習履歴、特性等がそれぞれ違うため、同じ映像をみてもそこから学ぶものは多種多様です。
  • もちろんそれだからこそ議論をした時に真価が発揮されるのですが、一方で知識が足りない学習者がいた時にその学習者は学習活動に参加しにくくなってしまいます。(これは世に多く広まるアクティブ・ラーニングにも言えることですが)
  • 良い面も悪い面もあるため全て反転授業にするのではなく、単元の中で何回か導入することや適度に行うことで効果を高められるのではないかと思います。