SNSに子供の写真を掲載するときの注意点

SNSは公共の道路です

  • Facebook、Twitter、LINEといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が広く膾炙し、仕事や生活の一部になっています。
  • しかし、その一方でSNSでのトラブルによる犯罪も多発しています。中にはSNSで知り合った男性とトラブルになって、自宅を特定されたうえ、そこで殺害された女性もおります。このような重大事件に巻き込まれないようにするにはどのようにすればよいのでしょうか?

デジカメにはGPS機能がある

  • デジカメで写真を撮影したとき、位置情報を取り込んだログファイルができる場合があります。これをパソコンのテキストエディタなどで開くとこのようになります。

位置情報ログファイル

  • このファイルには、撮影日、経度、緯度、移動速度などが記載されています。このファイルをTNTmipsと呼ばれる移動経路を復元するソフトを使って読みだすと…

自分の行動パターンが復元される

  • 上に示した図のように、「いつ、どこで、どのくらいのスピードで、どれくらい滞在していたか」が復元されます。そして、それをたどってゆけば自宅も特定できます。
    特に、iPhoneなどのスマートフォンやタブレット端末には、紛失時に位置を特定するためにGPS機能が搭載されています。それを知らずに写真を撮ってSNSにアップすると、「SNSに住所を書いていない」にも拘わらず自宅を特定されてしまいます。
  • だから、デジカメやスマホで写真を撮影するときは、GPS機能を切ってから使いましょう。

自分の子供の写真が全世界に拡散される

  • FacebookやTwitter、LINEに子供の写真を掲載すると、その写真は全世界に拡散されます。たとえば、私も仕事柄顔写真を公開しなければなりませんが、SNSにアップした写真は数日後、Googleの画像検索のデータベース内の格納されていました。これはなぜかというと、GoogleやYahooは定期的に「ロボット」と呼ばれるプログラムが新しい情報がないかを収集するためです。そこで新しい情報が見つかるとそれをデータベースに取り込んで更新します。
  • また、SNSを通じて「友達」になった人がこの写真が「いいね!」といって共有して「友達」のブログに掲載されたり、別のSNSに掲載されたりして世界中に広まってゆきます。さらに、写真にコメントしたその子の「個人情報」を見た知らない人が知ってしまいます。
  • 誘拐しようとうする子供の警戒心を解くために、それを悪用する人がいます。実際にこれを悪用した事件が発生しています。また、子供の顔が心無い人たちによってコラージュに利用されたりして、それを見たクラスメイトがいじめの発端にしてしまう…ということもあります。

撮影した写真の建物などから場所を特定される

  • 家族で撮影した記念写真をSNSにアップした場合、必ず写真の中に「場所情報」が含まれます。たとえば、記念写真の中に目印になる建物や木がある場合、そこから撮影場所を割り出されます。仮に、その記念写真を撮った家族の誰かとトラブルを抱えていた場合、そこを起点にして住宅を特定されたうえ、何らかの犯罪行為がそこで発生する可能性が高いです。
  • 「記念写真」は家族にとって「記念すべき」ものであって、赤の他人にとっては「記念すべき」ものではありません。そのことをよく頭の中に入れておいてください。

そのようなトラブルから身を避けるには?

  • そのようなトラブルから身を避けようと思っている方は、たった1つのことを実行してください。それは…

SNSに自分の家族の写真をアップしない!

  • これだけです。しかし、「いい写真を撮ると多くの人に見てもらいたい」と思うのが人情です。そんな場合どうすればよいのか?その場合は次に示す項目を守ってください。

・写真撮影でGPS情報を記録しないように設定する。
・アプリの位置情報はオフにする。
・モザイクをかけるなど、顔がはっきりするような写真は載せない。
・住んでいるところが特定されるような背景の写真や書き込みは避ける
・投稿時の子供の名前は、普段使っている呼び名などは使用しない。

  • 必ず守ってください!

最後に

  • ネットの世界は「公海(公の海)」です。ここに流れ出した情報をすべて回収するのは不可能です。SNSなどに「自分の顔をさらす」ということは「全世界の人間に顔を知られる」ということをしっかり頭の中に入れておいてください。
  • アップした情報は世界中の誰かが必ず見ています。知られてはまずいもの・困るものは絶対にアップしない様にしましょう!ネット住民は非常に怖いですよ。

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