昨晩は皆既月食でした…
2014.10.09
カテゴリ:理科用語
昨晩は皆既月食でした…
- 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。昨晩は日本全国で皆既月食を見ることができました。しかし……私が住んでいる富山県ではこの時間帯に分厚い雲に覆われ、「赤銅色の月」を見ることができませんでした…
- それはさておき、本日は月食の原理について解説いたします。
月食とは?
- 月食というのは、月が地球の影に隠れる現象のことです。一部分が隠れれば「部分月食」、全部隠れれば「皆既月食」となります。
なぜ月食が起きるの?
- 月食は太陽、地球、月の順番に一直線に並んだときにのみ発生します。(下図参照)
- 太陽の通る道を「黄道(こうどう)」、月の通る道を「白道(はくどう)」といい、黄道に対して白道は5.15度傾いています。そのため、月と太陽が完全に重なる点が2か所だけできます。月が昇交点(しょうこうてん)にあり、太陽が降交点にあるとき、太陽・地球・月の順に一直線になり、太陽の光によってできた地球の影に月が入っていって月食が起きます。
- また、太陽と月が昇交点と降交点にいるときは、太陽・月・地球の順に一直線になり、日食が起こります。
- 月食は必ず満月の時に起き、日食は必ず新月の時に起きます。それはなぜかというと…地球から月を見るとき、月食の場合は光源(太陽)が後ろにあるので、月が全部照らされた状態になります。日食の場合は、光源が正面に来るので逆光の状態になります。この時に月を撮影すると、「月の影」を撮ることになります。
なぜ皆既月食の時に赤銅色の月が見えるの?
太陽の光には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの光が含まれています。太陽の光が地球の大気中を通過するときに、波長の短い緑と青が吸収され、波長の長い赤色だけ通過します。その光が月に当たって反射するために赤く見えるのです。
- 空気中に漂う塵の量によって月の見え方は大きく変わります。月食前に雨が降って大気中のちりが洗い流された場合は、オレンジ色の月が見え、火山の噴火などによって大量のちりが舞い上がった場合は、こげ茶色か全く見えなくなります。(下図参照)
月食に関するよもやま話
- 皆既月食になると、赤銅色の月を見ることができます。これを見た昔の人は「血」を連想し、皆既月食に見られる赤銅色の月のことを「Blood Moon(ブラッドムーン:血の月)」と呼ぶそうです。
- 皆既月食は皆既日食より起こる回数は少ないのによく見かけるといわれています。それは、皆既日食はある特定の地域でしか見られないのに対し、皆既月食は月さえ見えれば、世界中どこでも見ることができるからです。
本日はここまでといたします。ご清聴ありがとうございました。