森林がないと田畑は育たない?
2014.05.27
カテゴリ:理科用語
森林がないと田畑は育たない?
- 皆さんこんにちは。オフィス・宮島です。本日は森林と田畑の関係について解説いたします。
- 「♪ウサギ追いしかの山 小鮒釣りしかの川~」で有名な「ふるさと」という歌があります。そこに描かれている風景が下の写真になります。
- ここで、1つ皆さんに質問です。「上の写真を見ると田畑が広がっていますが、これを維持するためには川だけを守ればよいのでしょうか?」
正解は川ではなく山を守る
- もし、仮に川だけを守るとこのようになります。
上の写真は中国にある黄河の流域を撮影したものです。大昔、この流域には非常に多くの木が繁茂していました。(右の写真)
そしてそこを流れる黄河は非常に澄んだ川でした。しかし、殷周時代から春秋戦国時代にかけて人口が増加し、農地を増やすために片っ端から黄河流域にある森林を伐採した結果、山は土を保持できなくなり、黄河に流れ込むようになりました。
そしてその結果…黄河は文字通り「黄色い川」になってしまい、多くの土地が濁流に飲み込まれ農業に適さない場所になってしまいました。さらに現在の黄河では、川の流れが止まる「断流」という現象まで発生しています。
山を守らないと自然が壊れる
- これらをまとめると、山をきちんと管理しないとふもとの自然が壊れてしまうということです。日本人は大昔より山・海・川の自然と調和しながら生きてきたから現在も豊かな自然の恵みを享受しているわけです。しかし、日本以外の国、たとえばヨーロッパ諸国や中国などでは「森の資源が枯渇すれば森を捨てる」という人間が自然を征服するという考えを持ち、それが世界中を支配しているため、人類と地球環境の共存という極めて難しい課題に直面しているわけです。
- 彼らにこそなぜ日本の里山が2000年にわたり守られているのかを知ってほしいのです。
本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。