花が咲かなくても増える植物

花が咲かなくても増える植物

  • 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。今回は「花が咲かなくても増える植物」について解説いたします。
  • 植物は、基本的に子孫を残すとき花をつけ、虫や風などの力を利用して受粉したのち、種を作ります。しかし、ある特定の種類の植物は花を咲かせずに子孫を増やしてゆきます。それは次に示すようなものがあります。

シダ植物

  • シダ植物というのは、大昔からの姿を保っている植物の1つです。大昔、鱗木(りんぼく)と呼ばれる全長30mにも達する植物がありました。「木」でありましたが、これが子孫を残すときは「種子」ではなく「胞子」で増えてゆきました。現存するシダ植物も「胞子で増えてゆきます。

鱗木

  • 鱗木はすでに絶滅していますが、その子孫であるシダ植物はサイズを30cm程度まで縮小して現存しています。

シダ

子孫の増え方

  • シダ植物の葉の裏を見てもらえばわかりますが、胞子嚢(のう)とよばれる胞子が詰まった袋がついています。周囲が乾燥すると、胞子嚢がはじけ胞子が周辺にばらまかれます。そして湿った土地に胞子がつくとハート形の「前葉体」というものができ、その中にある精子と卵子が結びついて(受精)、受精卵ができます。そしてそれが成長して葉が出てきます。

シダの生活環

コケ類

  • 古びた塀や石にびっしりと緑色の藻(も)が生えているのを見たことがあると思います。それは「苔(コケ)」と呼ばれるものです。これもシダ植物同様花を咲かせず胞子で増えてゆきます。

コケ類

コケ類の増え方

  • ゼニゴケをモデルに説明いたします。ゼニゴケには「雄株」と「雌株」が存在し、雄株から精子が放出され雌株から卵子が放出されます。そして、その2つが受精して胞子ができます。そしてそれが成長してゆきます。また、成長の過程で雄株と雌株に分かれてゆきます。

ゼニゴケの生活環

画像引用元 Omnisサークル

まとめとおまけ

  • このようにシダ植物やコケ類は「胞子」で増えてゆきます。しかし、これらには種子植物のように「種」という硬い殻をもっていないため、乾燥に非常に弱いという弱点があります。そのため、シダ植物やコケ類は湿った日当たりの悪い場所でしか繁殖できません。その結果、後発の種子植物に押され生息領域が大昔に比べ非常に狭くなっています。
  • シダ植物やコケ類はじめじめした場所を好み、これが繁茂すると景観や気分を損ねる場合があり、そのときは駆除の対象になります。しかし、我々はシダ植物やコケ類は「食料」として利用しています。ぜんまいや蕨(わらび)は和食には欠かせない食材ですし、イワタケは山の幸として、酢の物にして食べています。

蕨の炒め煮

画像引用元 misbit.com

  • ちなみに寿司などで使う「ノリ」は漢字で「海苔」と書きますが、コケ類ではありませんので注意してください。

本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。

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