酸素は猛毒?
2014.05.15
カテゴリ:理科用語
酸素は猛毒?
- 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。今回は身近にある「酸素」について話をしてみようと思います。
- 皆さん酸素はどのような性質を持っているかご存知ですか?今から酸素の性質をピックアップしてみます。
- ものを燃焼させる
- 酸化力が強いため、ものと反応して化合物(酸化物)を作る
- 磁界に置くと少しだが磁化する…など
- このような性質を持っているのが酸素です。この性質を生かして工業では酸化剤やアーク溶接時に使用する助燃剤に使用されています。また、生物にとってはなくてはならないものなので、医療分野や宇宙空間・高山などの過酷な環境での呼吸をスムーズに行うためにも使われています。
- しかし、酸素の濃度を高くすると、人間(生物)にこのようは反応が起こります。
- 意識を失い痙攣(けいれん)が始まる
- 呼吸困難と胸の痛みを訴える(肺が傷つく)
- 網膜剥離や肝臓への障害、赤血球の破壊および腎臓への障害
- 酸素は酸化力が非常に強い物質のため、高い濃度に人体をさらすと、細胞に甚大なダメージを与え、最悪の場合は死に至ります。これだけの強い毒性を持っている物質なのです。
酸素中毒が起こるメカニズム
- 一般には先に示した症状をひっくるめて「酸素中毒」といいますが、これが起こるメカニズムというのはこのようなものです。
- 細胞が酸素を取り込むことで、酸素が反応性の高い「活性酸素」という物質に変わる
- 活性酸素が血液に乗って全身に行きわたる
- 血管の集中している臓器に活性酸素がたまり、そこの細胞が甚大なダメージを受ける
- これからわかることは、「酸素は低濃度だと生活に欠かせないものだが高濃度になると人体に甚大なダメージを与える猛毒になる」ということです。一言でいうならば「毒にも薬にもなる物質」ということです。
本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。