お年玉の解答

お年玉の解答

  • 皆さんおはようございます。オフィス・宮島です。本日は小正月です。1月1日に出した問題の解答を発表します。
  • 問題は、次のものです。
    図1のような装置を作り、電流による発熱を調べた。この実験装置に用いた電熱線1,2はそれぞれ6V-9W、6V-6Wである。電源装置の電圧を6Vに設定して、次の実験を行った。いずれの実験も時々ガラス棒でかき混ぜながら、電流を流した時間[min※1]と上昇した温度[℃]の関係を調べた。図2は実験1の結果をグラフにしたものである。ただし、電熱線で発生した熱はすべての水の温度上昇に使用されたものとする。
    ※1…minとはminutes(分)の略称

図1

図2

実験1

  1. 初めにスイッチS1を5分間閉じた※2
  2. S1を閉じたまま、S2を5分間閉じた

実験2

  1. 初めにスイッチS2を5分間閉じた
  2. S2を閉じたまま、S1を5分間閉じた

※「スイッチを閉じる」というのは「スイッチをオンにする」ということ

  1. 下線部の操作によって、水温をより正しく測定できるのはなぜか。

  2. 実験1の1.において、電熱線1に流れる電流を調べたところ、1.5Aであった。電熱線1の抵抗は何Ωか。

  3. 実験1の2.において、図1のX,Y,Zのポイントにて流れる電流をIx、Iy、Izとするとき、IzをIxおよびIyを使って表せ。

  4. 実験2の結果を図2と同様にグラフに示すとどうなるか。エクセルでグラフを作成せよ。

  5. 実験2で、10分間で電熱線2に発生した熱量は何Jか。

という問題です。では、1つずつ見てゆきましょう。

1.の解答

  • なぜ、ガラス棒で水をかき混ぜると温度をより正しく測定できるのかというと、水をかき混ぜない場合、温度分布にむらが生じます。今回の場合だと、底のほうの水温が高くなり水面付近の温度が低くなってしまいます。それによる測定誤差をなくすために水を定期的にかき混ぜるわけです。
  • これらをまとめると…「温度分布のむらをなくして均一にし、測定誤差をなくすため」ということになります。

2.の解答

  • 上の図を見てもらうとわかりますが、これは並列回路になります。並列回路では抵抗にかかる電圧は電源電圧になりますので、V=6Vとなります。
    オームの法則より、V=IRよりR=V/Iとなるので、
    電熱線1の抵抗R=6/1.5=4[Ω]となります。

3.の解答

  • 並列回路の総電流は、各抵抗に流れる電流の和になります。その性質を使うと、Ix=Iy+Izとなります。これをIzについて解くと…Iz=Ix-Iyとなります。

4.の解答

  • このようなグラフになります。

4.の解答

  • なぜこのようになるのかというと…
    電熱線1は6V-9W、電熱線2は6V-6Wとなっていますので、それぞれの抵抗を求めるとこのようになります。

P1=V・I1=I1^2・R1…(1)
P2=V・I2=I2^2・R2…(2)となります。
P1=9、P2=6として(1)、(2)を書き直すと

P1 = 9=I1^2・R1
P2 = 6=I2^2・R2となりますので、R1、R2についてそれぞれ解くと…

R1= 9 / I1^2
R2= 6 / I2^2となるので、R1:R2=9:6=3:2となります。

∴これを変形して9・R2 = 6・R1となり、
R2=2/3 ・ R1となります。このことから電熱線2の抵抗は電熱線1の3分の2倍になっているといえます。

  • これより、電熱線2の発熱量も3分の2倍になるので、温度上昇も3分の2倍になるので、3×2/3=2となります。ゆえに電熱線2は5分間で2度上昇するということになります。
  • この後は両方の回路を使って水温を上昇させるため、図2と同じ特性を持ったグラフになります。

5.の解答

  • 問題に電熱線2の特性は「6V-6W」と書いてあるので、6Vの電圧を加えると6Wの電力を発生します。これを利用して電力量を求めます。W=P・tより、W=6・600[s]=3600[J]となります。

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