比熱とは?
2013.11.14
カテゴリ:理科用語
比熱とは?
- 皆さんこんにちは。オフィス・宮島です。本日は「比熱」について解説いたします。
- 以前「水の温度を1度上げるにはどうしたらよいか」について解説いたしました。今回は「物体の温度を1度上げるための熱量」を決める性質である、比熱について調べてみましょう。
比熱の定義
- まず、「比熱」とは、どのように定義されるものでしょうか見てみましょう。
正しくは「比熱容量」と呼ばれ、圧力または体積が一定の条件の下で、単位質量(1gや1kg)の物質を単位温度(1℃あるいは1K(ケルビン:絶対温度))上昇させるために必要な熱量のこと。
- これを読んでもわからない…という方はこのように覚えておいてください。
「自分がいる環境で、ある物質1グラムないし1キログラムの温度を1度上げるのに必要な熱」
比熱が違うと何が起きるのか?
- では、各々の物質による比熱を見てみましょう。
物質名 | 比熱[cal/(℃・g)] | 比熱[kJ/(K・kg)] |
---|---|---|
水 | 1 | 4.184 |
ガラス | 0.1~0.2 | 0.41~0.83 |
食用油 | 0.5 | 2.09 |
エタノール | 0.6 | 2.51 |
氷 | 0.46 | 1.92 |
銅 | 0.09 | 0.37 |
鉄 | 0.1 | 0.41 |
アルミニウム | 0.2 | 0.83 |
マグネシウム | 0.24 | 1.00 |
銀 | 0.06 | 0.25 |
金 | 0.03 | 0.14 |
- これを見てもらうとわかると思いますが、水の比熱が最も大きく、金属の比熱は非常に小さいことがわかります。このことから、次のようなことが言えます。
水は熱しにくく冷めにくく、金属は熱しやすく冷めやすい
- 冬場でも、湖や海の深いところでは地上に比べ「暖かい」と感じますよね。それは、比熱が大きいからなのです。また、フライパンや鍋などの調理器具に鉄(主にステンレス)や銅、アルミニウムを使用しているのは、これらの金属は「すぐに温まる」からです。
- ちなみに、山梨県や北海道で湖が凍結することがあり、その時の湖の温度分布はこのようになっています。
- これからわかるように、水面では氷になっているので、氷点下になっています。水面下では約0度、湖底付近では約4度となっています。もし、水の比熱が小さかったら、湖全体が凍結し、魚も凍死しているはずです。比熱が大きいため、どんなに寒くなっても湖全体が凍結することがないのです。
本日はここまでとします。ご清聴ありがとうございました。