HVは本当にエコなのか?

HVは本当にエコなのか?

  • 皆さんこんにちは。オフィス・宮島です。今回は「HV(ハイブリッド車)は本当にエコなのか?」ということについて話をしたいと思います。
  • 2013年8月27日付のエコノミックニュースにあった記事です。

「ハイブリッド車は決してエコじゃない」と気付いた人々

実はハイブリッド車はECOじゃないかも?」気が付き始めた人たちが注目したのが、マツダのクリーンディーゼル車だ。画像はCX-5

 マツダは、2013年8月27日に、「SKYACTIV技術」搭載車の販売拡大に対応するため、本社のエンジン工場(広島市南区)における「SKYACTIV-D」を含めたスカイアクティブ・エンジンの年間生産能力を、2014年末までに3割ほどアップさせ年間100万基に増強すると発表した。昨2012年7月に、40万台体制から倍増させたばかりの工場の生産能力アップの報である。これには、日本で後述するような「賢い消費者が誕生した」ことに、理由がありそうなのだ。

 2012年、日本ではおよそ100万台のハイブリッドカーが販売され、販売台数で1位はトヨタ・アクア、2位が同じくトヨタ・プリウスで、ハイブリッド車がベストセラーカーのワン・ツーを決めた。ちなみに3位フィット、4位フリードは、ともにホンダ車でハイブリッド車をラインアップしている。
 
 ご存じのように世界初の量産型ハイブリッドカーは1997年にトヨタが、「21世紀に間に合いました」と喧伝したプリウス。以後、いくつものモデルが登場し、昨年度は登録車の3割に達するほどのボリュームゾーンに成長した。ただ、2012年まではトヨタ/レクサス連合とホンダの2社だけがハイブリッドカー市場をほぼ独占している状況で、2013年になって富士重工業や日産などの他メーカー、ドイツなど海外メーカーが参入しはじめた。特に、ポルシェ、アウディ、メルセデス、BMWなどドイツ・メーカーの参入が際立つ。EU圏で強化されつつある排ガス規制とメーカーごとの燃費規制をクリアするための方策とハイブリッド車投入は同義となった。高価なポルシェなどのラグジュアリーブランドあっても、燃費規制と排ガス規制からは逃れられないのが現状で、このあたりを一挙に解決するのがハイブリッド&プラグインハイブリッドなのだ。

 しかしながら、ハイブリッド車にもネガティブな側面はある。最大の問題は、車両価格が高価になることだ。先頃発売された国産大衆車のカローラでも、同等のガソリン車比でおよそ30万円の価格差が生まれる。この差額をガソリン代で相殺するのは困難だ。そして、最も多品種ハイブリッドカーを販売するトヨタでは、ハイブリッドのエネルギー貯蔵庫「ニッケル水素バッテリー」の保証を「5年未満、5万キロ」として、以後の交換は有償(最も安いアクア用でも12.915万円で交換工賃別)なのだ。だから、トヨタ製ハイブリッド車の多くは3回目の車検(7年目)を受けず廃棄されている。車検費用にニッケル水素バッテリーの代金+交換工賃の支払いが重たいからだと想像できる。これは、ある意味で「エネルギーの無駄遣い」だ。現在のクルマなら、ふつうに使えば、自動車税が増額される登録後13 年以降も平気で使えるのに……だ。

 そこで、「実はハイブリッド車はECOじゃないかも?」気が付き始めた人たちが注目したのが、マツダのクリーンディーゼル車だ。2012年、クロスオーバーSUVであるマツダ CX-5の販売台数は3万5438台で、2012年SUV国内販売台数第1位(全乗用車で24位)。うち、クリーンディーゼル「SKYACTIV-D」搭載車が2万6835台だ。 購買層は30~50歳代を中心に幅広いという。今年、2013年に入って「SKYACTIV-D」搭載車の人気は拡大、そのコストパフォーマンスの高さは、CX-5だけではなく同社アテンザでもクリーンディーゼル人気が広がっている。

 「SKYACTIV-D」ディーゼルの最大のポイントは、わずか2.2リッターの排気量にもかかわらず42.8kg.mという5リッターガソリンエンジンに匹敵する最大トルクを2000rpmという低回転域で発生するドライバビリティの高さにある。しかも、フルサイズSUVながらJC08モード燃費18.0-18.6km/リッターと好燃費。レクサスのハイブリッドSUVであるレクサスRX450hのJC08モード燃費16.4-17.4km/リッターと比較されたい。しかも、RX450hはプレミアムガソリン、CX-5は軽油で動く。高価なハイブリッドシステムのデメリットに気がついた人は確かに存在するのである。(編集担当:吉田恒)

  • 現在約100万台近く販売され、「ハイブリッド車=トヨタ=プリウス」というくらいイメージが強いハイブリッド車ですが、この記事を読んでいるとかなり疑わしいような気がします。

トヨタ・プリウス

  • この記事にも書いてありますが、バッテリ交換費用で12万1000円(アクアの場合、工賃別途負担)+車検費用+自動車取得税+自動車重量税=40万円以上になると思われ、所有者に重くのしかかってきます。そのため、3回目の車検(7年目)を待たずに新車で購入したHVが廃車になる…ということが起きています。10年以上乗ることのできるガソリンカーに比べてコストパフォーマンスが悪く、環境への負担が大きいのではないかといわれています。
  • 余談ですが、友人と私とでFacebook上で意見を交わしていた時のことですが、プリウスを運転していても「思っていたほど」乗り心地は良くないとのことでした。また、パワーステアリングが自動車のと異なり電動フォークリフトのそれに近いとも言っていました。
  • また、ハイブリッド車の究極形といえる電気自動車(EV)も最近街中でよく見かけるようになりましたが、これも余りエコとは言えません。なぜなら…
    • バッテリ1個ですべての電源を賄うため、航続距離がガソリン車よりはるかに短い。
      電気自動車はこのような構造になっており(下図参照)、中央にあるバッテリがエアコン、インパネの照明、ライト、パワーウィンドウの電源、カーオーディオ・カーナビの電源…をすべて賄っております。

      電気自動車の構造

    • 走行に使用できるのは、バッテリの全電力からその分に使用する量を差し引いた量しか使えません。テレビでもやっていましたが、EVを使っているタクシー会社では、夏は冷房をつけず窓を開けて走り、冬は暖房をつけずにホッカイロを座席に敷いて走っているのだとか。

    • バッテリ交換費用が非常に高い
      電気自動車を購入する人たちが一番大きな勘違いをしているのが、「バッテリには寿命がない」と思い込んでいることです。そのため「交換する必要がない=ガソリン代がかからない=経済的で環境に優しい」と思ってしまうのです。
      しかし、実際のところ、理想的な状態で使用しても、3000回充電した時点で寿命を迎えるそうです。そのため、バッテリ交換が必要となりますが、その費用が現時点で1kWhあたり10~20万円だそうです。三菱・iMIEV(アイミーブ)の車体価格が398万円で、バッテリパックの価格が270万円だそうです。これが寿命を迎えて交換すると、270万円+工賃を支払わなければなりません。

    • 充電スタンドが少ない
      電気自動車にパワーを供給するためには、電気が必要です。今の時点では、家庭用電源プラグを使ってフル充電するのに8時間かかります。また、急速充電を行っても80%に達するまで30分以上かかります。しかし、ガソリン車では満タンにする時間がわずか数分で済みます。
      「環境に優しい電気自動車の普及を」とうたっている割には、インフラ整備が進んでおらず、充電スタンドがほとんどありません。私が住んでいる富山県の場合は、ディーラー店に充電スタンドが1台ある限りです。(知っている範囲内ですが)
      そこまで行く間に自動車が止まったらどうするのか…ということを考えていないようです。

最後に

  • 日夜、研究者や技術者がより良い未来のために新しい技術開発や研究を行っています。そのことに関して私は卑下しているわけではありません。今ここで述べたことは、現時点での問題点・課題を列挙しただけにすぎません。
  • この記事を見た技術者の方は、「お前は何もわかっていない」と怒りの声を挙げるでしょう。しかし、利用者からの声を無視しては技術の進歩はないと思います。現在はガソリン車からハイブリッド車をへて電気自動車に移り変わろうとする時代です。ゆえに問題がたくさん出てくるのは仕方がないことです。これを1つずつ潰していかなければ克服はできないと思います。それが何年かかるかわかりませんが。

非常に長くなったのでここでやめます。ご清聴ありがとうございました。

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