金属製品はなぜ大量生産できるのか?
2013.07.19
カテゴリ:理科用語
金属製品はなぜ大量生産できるのか?
- 皆さんこんばんは。オフィス・宮島です。今回は「金属製品は大量生産に向いているのか」について説明いたします。
- 皆さんも見たことがある(大抵一家に一台はある)自動車ですが、ボディ、シャーシなどは金属でできています。しかも同じ形の車がたくさん走っています。なぜでしょうか?
- 車というのは、ボディは鉄板、シャーシや骨組は金属の棒を組み合わせて作っています。ここで思い出してほしいのですが、金属には次に示す4つの性質があります。
- たたくと薄い板にすることができる。また引き延ばすと長く伸びる(展性・延性)
- 磨くときらきら輝く(金属光沢)
- 電気をよく通す
- 磁石にくっつく(アルミなどはくっつかない)
- 上に示した1番の性質を活用することで、ボディやシャーシ、骨組を作成することができます。
ボディの場合、金型の間に鉄板を入れ、プレスすることで形を作ることができます。
- 原理図を書くとこのようになります。
- このようにすると、ハンマーでたたいて形を作るより素早く大量に製品を作ることができます。だから大量生産ができるのです。ただし材料にもよるのですが、金型を外すと材料が持つばね性により形が変わる「スプリングバック」と呼ばれる現象が発生します。それを防ぐため、何度かプレスを行って金型の形を材料に転写します。
- 金型の形を材料に転写するため、金型に傷やへこみがあると、材料にそれも転写されてしまうので、プレス加工を行う前には金型に傷・へこみがないことを必ず確認します。そうしないと出来上がった製品に傷やへこみが入り、商品価値がなくなってしまうからです。
本日はここまでといたします。ご清聴ありがとうございました。