バイトテロ(ばいとてろ)

バイトテロ(ばいとてろ)

  • コンビニや飲食店のアルバイト店員が面白半分で「いたずら」をし多挙句、「証拠写真」をTwitterやFacebookにアップしたことにより炎上し、アルバイト店員が勤務している店を閉店に追い込む行為のことを言う。
  • これが問題になったのは2013年7月15日に発覚した「ローソンのアイス用冷蔵庫に入る男性写真が流出」事件である。
  • この事件の概要は、次のようなものである。

概要

高知鴨部店にある大手コンビニエンスストア「ローソン」に勤務する男性アルバイト店員がアイスクリーム陳列棚に入り写真を撮り、その写真をFacebookアップした。それを見て「衛生管理がなっていない」と怒った閲覧者たちがFacebookに怒りのコメントを書き込みまくった(ブログの炎上)。さらに閲覧者の何人かが本部に通報(いわゆる電凸)したことにより、日本中に知れ渡った。
その結果、事態を重く見た本部は、高知鴨部店との加盟店とのフランチャイズ契約を解除し高知鴨部店を閉店した。

バイトテロの実例

  • これを発端に、次々とこのような事件が発覚していったのである。例を挙げると…
  • 2013年8月2日
    ハンバーガーチェーン店「バーガーキング」にて、アルバイト店員がバンズ(ハンバーグを挟むパン)を床一面に広げ、寝っ転がった。その写真をTwitterにアップしたことにより炎上。その結果店側が謝罪すことになった。
  • 2013年8月5日
    ラーメンチェーン店「丸源ラーメン」にて、店員が調理前のソーセージを咥えた写真をTwitterにアップして炎上。運営会社は謝罪し、当該店は数日間の休業に追い込まれた。
  • 2013年8月7日
    関東・東海で展開するステーキチェーン店「ブロンコビリー」安達梅島店でアルバイト店員が冷蔵庫に入る写真をTwitterにアップし炎上。ブロンコビリー安達梅島店は6日間の営業停止に追い込まれた。
  • 2013年8月9日
    蕎麦屋の店員が洗浄機に入り、遊んでいる写真をFacebookにアップし炎上。
  • 2013年8月25日
    大手宅配ピザチェーン店「ピザハット」の店員がシンクや冷蔵庫に入って遊ぶ写真や、生地を顔に貼り付けて遊ぶ写真をTwitterやFacebookにアップしたことにより炎上。運営会社は謝罪し当該店は数日間の営業停止に追い込まれた。
  • 2013年9月2日
    大手居酒屋チェーン店「白木屋」のアルバイト店員がキャベツの葉っぱを顔につけた状態で煙草をふかす写真をTwitterにアップして炎上。
  • 2013年9月3日①
    大手中華料理チェーン店「餃子の王将」新潟近江町店のアルバイト店員が冷蔵庫に入って遊んでいる写真をFacebookにアップし炎上。運営会社は謝罪し臨時休業になった。
  • 2013年9月3日②
    大手中華料理チェーン店「餃子の王将」金沢片町店にて従業員および男性客10人が素っ裸で店に入り食事をするなどの行為をし、その様子を撮影した写真をFacebookにアップし炎上。その結果金沢片町店は閉店に追い込まれた。さらにこの行為に加担した人物を「公然わいせつ」の容疑で刑事告訴し損害賠償も請求した。
  • 2013年9月10日
    大手宅配ピザチェーン店「ピザーラ」の店員がピザの箱と一緒にネズミ取りに引っかかったネズミの死骸を並べて遊ぶ写真をTwitterにアップしたことにより炎上…といった具合である。

なぜこのようなことが起きるのか?

  • 2ちゃんねるやニュースのコメンテータは、このような「バイトテロ」が起きる背景を次のように分析している。
  • ゆとり世代はまともな教育を受けていないから(2ちゃんねらー)
  • 自分の馬鹿を自慢したい(同上)
  • いまの19、20くらいの奴は小中の9年間丸々ゆとり教育を 受けてきた逆英才教育の結晶みたいなカスどもだからな。
    しかもそいつらは悪いことをしても教師に殴られたり ということも全くなく育ってきてる。
    何をしたらどうなるかとか想像することができないうえに 世の中や大人をナメくさってるクソガキなんだよな。 (中略)
    そのゆとりのガキどもが本格的に社会に出てくる2、3年後からは、これまであり得なかったような事件・事故が多発するだろう。 (同上)
  • 仲間内にメールを送り合っているような意識でいて、Twitterは不特定多数に公開されていることに気づいていない、というより学校などでそのようなことを習っていないため全く知らない。(ネットリテラシーの欠如、インターネットの構造を知らないユーザーの増加)
    バイト先のコンビニをクビになるだけでなく、親兄弟、学校等にばれてお灸を据えられたり、場合によっては損害賠償請求を求められたり、刑事訴追を受けたり、非常にシリアスな問題になる、ということへ想像力がおよばない。(世間の仕組みや、大人の世界の無理解)
    (情報アナリスト・青木文鷹氏ほか)
  • 勉強をまったくしないことを積極的によしとする生徒が学校内で出現してきているという衝撃の事象(「労働からの逃走」「学びからの逃走」)を明らかにして、大変な反響をよんだものだが、あれから10年近くの年月を隔てて、彼らが大きな塊となって一大勢力となり、スマホという装置のおかげで可視化し、さらには、コンビニや外食のような、現代の資本主義の最先端を象徴する産業(その中にはブラック企業と名指しされる企業も少なくない)への反発、破壊(破壊願望)として吹き出して来ているということではないのか。
    (SeaSkyWindのブログより抜粋)

法的責任について

  • このような事件を起こした場合、法的責任はどのようになるのかについて労働問題に詳しい刈谷龍太氏は次のように述べている。

当事者の責任

  • 刈谷弁護士は次に示すものが当事者に請求されるという。
  1. 企業全体のイメージダウンに対する損害
  2. 店舗の清掃費用、新しい冷蔵庫の購入費用
  3. 事件の影響で廃棄された食材のコスト
  4. 臨時休業しなければ得られるはずだった利益
  5. 申し出た客に返却する飲食代金
  6. キャンセルせざるを得なかった広告・宣伝費用
  7. 客が精神的苦痛により企業を訴えて認められた場合の賠償金
  8. 客が体調を崩したなどの健康被害に対する補償(実際に食中毒が起こり因果関係が認められた場合)
  • さらに「ブロンコビリー」のように閉店に追い込まれたケースになると上記の請求にさらに次に示すものが請求される。
  • 閉店により契約履行できなくなった取引先、仕入れ先などに支払う違約金
  • 巻き添えで解雇される22人への支払い金(給料数ヶ月分など)
  • 退去に伴って発生する損失(賃貸借の違約金、無駄になった内装費用など)
  • 刈谷弁護士は「アルバイトの悪ふざけで閉店するのは経済的に妥当かどうかを判断しなければならない」と述べているが、当事者に高額の損害賠償が請求されることを否定はしていない。金沢片町店のケースだと損害賠償が数千万円に上る可能性がある。

店舗関係者の責任

  • 刈谷弁護士は新人教育に携わった社員、店長、先輩・同僚には責任がない。たとえば「お前らの教育が悪いからこのようなことをするんだ!」と先輩スタッフを怒鳴ったとしてもその責任は本部にある、と述べている。しかし、当事者が「悪ふざけ」をしても店長が見てみぬふりをしたら監督責任を問われるが生じるとも述べている。
  • 「いたずら」の当事者のほかにその行為を幇助した人物がいるとする。その場合、幇助した人物がその行為を行わなくとも当事者と同じ賠償責任を負うと刈谷弁護士は述べている。つまり、こういうことである。
    たとえば、店側から400万円の損害賠償請求が起こされ通った場合、当事者および幇助者に400万円の支払い義務が生じるということである。

当事者を育てた親の責任

  • よくこのような事件を起きると「親の顔が見たい」といわれるが、この場合育てた親への責任はどのようになるのかも聞いてみた。刈谷弁護士は次のように回答している。
  • 「両親は責任無能力者に関しては監督義務があります。その境界は中学1年~中学2年まで。アルバイトができるほどの年齢であれば「独立した『別人格』を持っているとみなされるので、親に損害賠償を請求することはできません」
    「支払い能力が低い場合、たとえ裁判で高額の損害賠償請求が認められても支払われないケースがあるので、それを見越して「両親を保証人にして500万円10年分割払いにしませんか?」と回収可能な金額を提示し和解に持ち込みます」
  • なお、和解に持ち込まなくとも、両親が身元引受人になっているケースが多いことから、ごく自然に当事者の肩代わりをすることになっている。
  • ゆえに直接の責任はなくとも、バカ息子を世に送り出した「製造責任」は両親に重くのしかかっているのである。

拡散させたネット住人の責任

  • 犯罪自慢をするのがネットであるのならば、きついお仕置きを食らわせるのもネットである。反社会的行為を悪びれない犯人に対し怒りをあらわにし「全力でつぶす」という号令のもと、犯罪情報を拡散し、あっという間に当事者の住所・氏名・電話番号・メールアドレスなどを特定する「特定班」と呼ばれる有志のネット住人は、「個人情報」を調べ上げ、当事者の学校や職場に電話を入れる電凸する。彼らの「正義」の行動の結果、当事者は退学・解雇・留年などの社会的制裁を受けることになる。
  • この制裁を受けた当事者は「俺の人生を無茶苦茶にした責任をとれ」とネット住人に対し訴訟を起こす可能性がある。その点について刈谷弁護士に聞いたところ、「理論的には可能だが、その方法が割に合うかは別問題である」と回答している。
  • このケースでは、刑事事件では名誉毀損・侮辱罪に該当し、民事訴訟では名誉毀損・プライバシー侵害に該当する。しかし、この程度では刑事事件まで発展し逮捕・起訴になることは考えにくく、民事訴訟としても扱いにくい。
  • また、これを立証するには様々な「壁」が存在することも刈谷弁護士は指摘している。その「壁」というのは…
  1. 個人情報を暴露した人間のデータログを開示したうえでIPアドレスを割り振ったプロバイダに開示命令を出さなければならない
  2. FacebookといったSNSに書き込まれているプロフィールや記事が「秘匿性の高い個人情報」に該当するのかを判別する
  • たとえこれをすべて達成しても得られる損害賠償金はごくわずか。
    判別にかけた資金>賠償金であるから、本当に割に合わない。だからサイト運営者に当事者の個人情報に関する部分を削除してもらうのが現実的である…と刈谷弁護士は締めくくっている。

よく考えてください

  • いったん「ネットの海」に拡散してしまった個人情報を完全に消し去ることは不可能である。心を入れ替えて採用試験に臨んでも、採用担当者が何かのきっかけで当事者の「武勇伝」を知ったことにより不採用…になることも考えられる。
  • おふざけで「いたずら」をFacebookやTwitterにアップしている人たちへ…あなたたちはここまで考えてやっているのですか?
    たった一度の人生です。こんなことで人生棒に振っていいのですか?
    それだけの覚悟があるのならぜひおやんなさい!
  • 決して「有名になる」「未成年だからおk」という軽い気持ちでFacebookやTwitterにアップしないこと!
    泣くのはあなただけでなく友人や家族、恋人といった親しい人たちもです!

最後に

  • インターネットそのものでは人を殺すことはできないが、これを使って間接的に人を殺すことができるということをしっかり頭の中に入れておくこと!!

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